SFの神髄は短編にこそ宿る

  • 2008/04/10(木) 22:06:53

という言葉を残した人が居たような気がするが、良く思い出せない。
しかし、星新一や小松左京のショートショート集が日本におけるSFブームの礎を築いた事からも、作家は限られた紙数の中でこそ言葉を研ぎ澄ますモノらしい。そういう意味では俳句や川柳が表現の極みと言うのは、もちろん正しい。

話を元に戻す。

本書はSFマガジンの中から、これまで落ちていた短編を所収したアンソロジーシリーズの第1巻になる。

表題作が一番泣かせる佳作だが、他にもちょっとばかりニヤリとさせられる大御所の小品も収められていて、これまであまりSFと縁のなかった人にも読んでもらえるようないい本になってると思うのだが・・・


「冷たい方程式」トム・ゴドウィン他・伊藤典夫・浅倉久志編・ハヤカワSF文庫・¥700

すべてを疑え!

  • 2008/04/08(火) 22:39:19

世間では、訳の分からない無差別殺人とか与野党の政局だけをにらんだ綱引き、あるいは中国のチベット弾圧に端を発する聖火リレーへの抗議行動等に関する報道花盛りのようだ。

でも大事な事を一つ忘れてはいないだろうか?

京都議定書
という現代の不平等条約の、二酸化炭素排出削減に関する拘束が今年からなのだ。

環境にやさしいのは悪い事ではない。だが日本が6%二酸化炭素の排出量を抑えてどれほどの意味があるかよく考えてもらいたい。
そしてその背後で動く莫大な金額の意味するところを。

「若い人はすべてを疑ってかかれ」という金言もあるらしいが、メディアに多く取り上げられる事は特にそうすべきだ。



「『温暖化』を食いものにする人々〜地球温暖化という”都合のよい真実”」
 別冊宝島1507・¥933

「幻のスーパーカー」

  • 2008/04/06(日) 19:26:22

小学生の頃、クラスメートが持って来た「少年ジャンプ」を休み時間に図書館で夢中で回し読みしたあの頃。
以来、「スーパーカー」はそのいかにもなボディデザインやカタログデータ、「常人には御しきれない」他のいろいろなエピソードと共に自動車少年の頭の中で常に憧れの存在であり続けた。

ある程度世間が分かって来ると、所詮伝説は伝説でしかない事が幾分の諦めと共に自分を納得させる。

そして業界で生きて来たこの男が、全ての伝説や夢を木っ端微塵に打ち砕く時が来た。

腕に覚えがあり、あぶく銭を手にして子供の頃からの夢を現実にしようという御仁には一読の価値あり。

福野礼一郎著・双葉文庫刊・¥581

「オリンピックの汚れた貴族」

  • 2008/04/05(土) 20:54:48

前著「黒い輪」からの大幅加筆増補版である。(ほとんど「同じ内容の暴露を書き直した」として差し支えないかもしれん)

ほんとに読んでると、世の中には欲の皮の突っ張ったヤツが多いのに腹が立つやら、それを承知で一時の人気取りの為に、税金をドブに捨てる政治家が多いのにあきれるばかり・・・

アンドリュー・ジェニングス著・野川春夫訳・サイエンティスト社刊・¥2000

単行本・文庫本・新書

  • 2008/03/18(火) 21:42:16

タイトルに惹かれて買った新書を読み終わった後の虚脱感は何だろう?と考えた。

単行本は、筆者が書きたい事を書く。内容はたっぷりある。
文庫本は、単行本として出版された内、部数が見込めるものが携帯・廉価版として出版される。
それに比べて新書は出版社の企画で識者や書きたい人の元に持ち込まれる場合が多いのではないか?
だから薄っぺらな内容の「○○の品格」とか「○○の国へ」とか「なぜ○○屋はつぶれないのか?」と言ったような「読み物」が売れるのだろう。
(その中ではオレ達文系に理工系のヒントを与えてくれる、講談社ブルーバックスなどは便利には違いないが・・・)
新書は各分野の概論までも行ってない場合が多い。講座が始まる前のオリエンテーションみたいなモンだと思えば失望も少ないだろう。
あるいは各分野での「自分史」にまで堕している例も少なくないが・・・

「地図に訊け!」山岡光治著・ちくま新書・¥700